都立中高一貫校って何?有名私立じゃなくても大学受験にメリットがある?
中学受験を考える際に、都立中高一貫校を検討するご家庭も多いかと思います。
都立中高一貫校は、6年間学費を抑えながら質の高い教育を受けられることから、例年人気が高い学校です。
今回は、都立中高一貫校を検討する際に大事なポイントをご紹介します。
目次
都立中高一貫校とは
都立中高一貫校のメリット
都立中高一貫校の入試
都立中高一貫校に合格する子の特徴
都立中高一貫校とは
東京都教育委員会によれば、都立中高一貫校とは「6年間の一貫教育の中で、社会の様々な場面、分野において人々の信頼を得て、将来のリーダーとなり得る人材を育成することを目的とする学校」です。
都立中高一貫校は「中等教育学校」と「併設型」の2種類があります。
【中等教育学校】
1つの学校で6年間の一貫教育を行う学校です。
「中等教育学校」では、最初の3年間を「前期課程」、後の3年間を「後期課程」と呼びます。
【併設型】
併設型は、都立中学校と都立中学校が併設していますが、接続する高校へは高校入試を必要としません。
従来「併設型」は高校からの入学者を受け入れることが特徴でしたが、2021年以降各校が高校募集を停止することが発表されています。
都立中高一貫校は、以下の10校(千代田区立九段中等教育学校を入れて11校)です。
【中等教育学校】
・小石川中等教育学校
・桜修館中等教育学校
・立川国際中等教育学校
・南多摩中等教育学校
・三鷹中等教育学校
・区立九段中等教育学校(千代田区立)
【併設型】
・白鷗高校・附属中学校
・両国高校・附属中学校
・武蔵高校・附属中学校
・富士高校・附属中学校
・大泉高校・附属中学校
都立中高一貫校のメリット
都立中高一貫校に進学する1番のメリットは「学費が安くても、私立中と同様に質の高い教育を受けられること」です。
都立中の授業料は、入学後3年間は基本的に無料で、後の3年間も一般の公立高校と同程度。
私立中学校では、都立中高一貫校と比べ、6年間で2倍以上学費がかかることも。
都立中高一貫校といっても各校に特色があり、独自のカリキュラムが組まれています。
公立校の標準的な授業時間数より多くの授業時間を確保しており、6年間の一貫教育で大学受験に備えることができるため、都立中高一貫校は総じて難関大への進学実績が高いです。
また、私立中学の入試は各校独自の問題が出されるため、小学校4年くらいから受験対策が必要。
一方、都立中高一貫校の入試は小学校の範囲から出題されるため、適正によっては小学校6年からでも対応可能といわれています。
都立中高一貫校の入試
都立中高一貫校の入試は、私立中学校の入試と大きく異なります。
【受験日程】
都立中高一貫校は各校同日で、一斉に入試が行われます。
そのため都立中高一貫校は併願することができません。
併願受験をする際は、別日程で行われる私立中学を併願先として選ぶことになります。
【報告書】
都立中高一貫校の入試は「報告書」と「適性検査」の合計点によって行われます。
「報告書」とは、小学5・6年生時の成績表を点数化したもので、いわゆる「内申点」です。
報告書と適性検査の比率は、報告書が2~3割と高く、普段から授業態度等に気を付ける必要があります。
【適性検査】
都立中高一貫校の適性検査は記述式がほとんど。
「自分の体験をもとに、400字で答えなさい」といった作文形式の問題が多く出題されます。
科目ごとの試験ではなく複数教科にまたがって出題されるため、知識を使って論理的に考え、表現する力が必要です。
また、ニュースについての関心や問題意識を問うものも出題されるため、常日頃社会に興味を持つ事も重要になるでしょう。
【受験倍率】
都立中高一貫校の受験倍率は、年度にもよりますが近年は5倍程度といわれています。
高倍率のため、合格は狭き門であることを認識しておきましょう。
もし都立中高一貫校に不合格だった場合、私立中学校に進むか公立中学校に進むか決めて予め対策することも重要です。
都立中高一貫校の適性検査に近い入試を実施する私立中学校も、近年増えてきています。
都立中高一貫校に合格する子の特徴
都立中高一貫校が求める子の特徴としては、以下が挙げられます。
・作文の得意な子
・論理的に考えることができる子
・社会への関心が高い子
・積極的でリーダーシップのある子
・協調性のある子
東京都教育委員会が「将来のリーダーとなり得る人材を育成することを目的とする」と述べていることからも、リーダーシップのある子は都立中高一貫校に向いているといえるでしょう。
一方、報告書(内申点)が重視されるため、頭は良くても小学校の成績が悪い、コミュニケーションが苦手でトラブルが多い、欠席が多い等は不利になってしまう可能性があります。
都立中高一貫校への受験は、お子様の適性を考えて検討しましょう。
お子様の適性がある場合でも、都立中高一貫校は狭き門のため、私立中学校も選択肢に入れることをおすすめします。
各ご家庭でお子様とよく話し合い、納得のいく決断ができると良いですね。