中学受験に必要な年収は?
目次
はじめに~中学受験と年収~
中学校でかかる学習費
実際の年収
まとめ
はじめに~中学受験と年収~
お子さんが中学受験をして私立中学校に通うことを考えている保護者の方々、お金事情は気になりますよね。公立中学校に比べて私立中学校の方が費用はかかりますが、実際にどのくらいのお金が必要なのでしょうか。また、私立中学校に進学するとなると世帯年収が1000万円以上必要という話を聞いたことがある方もいるかと思います。それは本当なのでしょうか。
今回の内容は文部科学省の子供の学習費調査をもとにしています。
(文部科学省「結果の概要-平成30年度子供の学習費調査」1.調査の概要 2022/4/21)
(文部科学省「結果の概要-平成30年度子供の学習費調査」1.調査結果の概要 2022/4/21)
子供の学習費調査 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)
(文部科学省「統計表一覧」 子供の学習費調査 2022/4/22)
中学校でかかる学習費
まず、調査では学習費を学校教育費、学校給食費、学校外活動費に分けています。
・学校教育費…学校教育を受けるために出す費用のことで、入学金、授業料、教科書費、学用品費、教科外活動費、通学費、修学旅行費、学校納付金、寄附金などです。
・学校給食費…給食費のことです。
・学校外活動費…学校以外の活動のために出す費用のことで、家庭教師費、学習塾費、体験活動・地域活動・芸術文化活動にかかる費用などです。
次に、公立中学校と私立中学校にかかる学習費の比較です。
【公立中学校】
年間学習費 488,379円
(学校教育費 138,961円、学校教育費 42,945円、学校外活動費 306,491円)
【私立中学校】
年間学習費 1,406,433円
(学校教育費 1,071,438円、学校教育費 3,731円、学校外活動費 331,264円)
このような結果になっています。比較すると、私立中学校は公立中学校の約3倍の学習費がかかることがわかります。また、学校教育費は私立中学校が公立中学校の7.7倍になっていますが、学校外活動費はそれほど差がないようです。ちなみに、学校外活動費の中でも家庭教師費や学習塾費などの補助学習費は公立中学校が約243,000円、私立中学校が約220,000円となっており、公立中学校の方が多い結果になっています。
実際の年収
調査結果にはご家庭の世帯年収についても記載されています。公立中学校と私立中学校に通うご家庭の世帯年収を比較してみましょう。
【公立中学校】
400万円未満:14.2%、400~599万円:26.1%、600~799万円:25.4%、
800~999万円:18.7%、1000万円以上:15.5%
【私立中学校】
400万円未満:3.9%、400~599万円:7.2%、600~799万円:16.8%、
800~999万円:19.8%、1000万円以上:52.3%
確かに私立中学校に通うご家庭の半分以上が世帯年収1000万円以上であることがわかります。しかし、600~799万円が約17%、800~999万円が約20%と、世帯年収が1000万円なくても私立中学校に通っているご家庭は多くいるようです。
世帯年収も大切ですが、私立中学校に通う際にポイントとなるのは月額いくらの費用をかけられるかということになります。調査の結果から私立中学校の年間学習費は約140万円とのことでした。すると、月額約12万円はかかることになります。それ以前に中学受験対策にかかる塾などの費用もあります。それらと入学後の費用を念頭に置いて中学受験をするか考えましょう。
まとめ
私立中学校は公立中学校よりも費用がかかりますが、もちろんその分メリットもあります。例えば、中高一貫校が多く、大学受験勉強に集中できます。また、私立中学校はそれぞれ教育理念が異なるので、ご家庭の教育方針やお子さんの個性に合わせて学校を選べます。世帯年収が1000万円以上でなくても進学は可能です。首都圏では多くのお子さんが中学受験を経験しています。お子さんの将来を考えて中学受験を検討してみてください。