中学受験と習い事の両立はできる?親がとるべき行動

中学受験と習い事の両立はできるの?

 アンケート調査によると、中学受験の準備をしながら習い事をしていたのは全体の約70%でした。ただ、最後まで続けたのは約35%で、残りの子供は途中で習い事をやめていました。この結果によると、中学受験と習い事の両立は十分に可能だと思われます。
 
 習い事を最後までつづけた子供たちによると、続けることができた主な理由は、「続けたいという気持ちがあったから」(75%)「受験勉強の息抜きとして」(50%)でした。
だから、もし、子供がそれほど習い事を続けたいと思っていない場合は、やめてしまって受験勉強に専念するのがよいかもしれません。
 
 受験勉強と習い事を両立しようとする場合、学習時間が十分にあるかどうかもチェックしましょう。短い勉強時間で効率的に勉強するのは大切ですが、実際問題として無理があります。十分な学習時間を確保することは絶対に必要です。
 
 基礎知識が十分に身についているかどうかということも、判断するための重要なポイントです。日々、行われている学校のテストで好成績を上げているかどうかを考慮しましょう。6年生の段階で基礎知識が不足していたら中学受験は難しいでしょう。基礎知識が身についていなければ、4、5年生の時に習い事をやめるか回数を減らすかして、学習に専念することが必要です。習い事を続けるとしたら、週1~2回ぐらいが適切でしょう。自分の好きな習いごとであれば良い気分転換になって、学習にも良い影響を及ぼすことが期待できます。

 習い事がスポーツか文化的なことかによっても状況は変わってきます。スポーツで、それほど長い時間でなければそれが勉強のための良い気分転換になりますが、長い時間練習すると、そのあと疲れてしまって勉強できないということも考えられます。また、回数が多ければ、その分、学習時間が減っていきます。だから、受験勉強中の習い事の回数は必要最小限にするのが良いでしょう。

 一方で、受験勉強と習い事を両立させることで、達成感や充実感が得られるということも考えられます。ほかにも強い意志力や忍耐力、逆境に負けない力なども養えると思います。そのような観点から習い事を考えてみるのもよいでしょう。

 習い事をすべてやめてしまって4年生から受験勉強に専念するのか、あるいは途中まで続けるのか、それとも最後まで続けるかは、子供と十分に話し合って決めるようにしましょう。

中学受験に合格するために必要な勉強時間は?

 合格に必要な勉強時間は、本人の現在の成績、目指す学校の難易度によっても変わってきます。難易度の高い学校を志望する場合は、当然学習時間も増えるでしょう。また、学習形態によっても変わってきます。塾や家庭教師を利用する場合は、塾での学習時間、家庭教師に習っている時間も含めて1日の学習時間を考えると良いでしょう。ほかにも、通信講座を利用する場合は、基本的に自学自習になります。
 
 本人の学校での成績が常にトップクラスであるのか、そうでないかによっても学習時間は変わってくるでしょう。成績がトップクラスでない場合は、中学受験の学習だけでなく、毎日の学校での学習内容を十分に理解し、学校のテストで常に良い成績をおさめることも目標になるでしょう。

 中学受験の学習を始める時期は4年生の始めからというのが多いですが、4年生の学習時間の目安は、平日で1~3時間、休日は2~3時間です。5年生の場合、平日は1~3時間、休日は4~5時間程度です。さらに、6年生になると平日は3~5時間、休日は8~10時間程度です。6年生になって学習時間が大幅に増えますが、それまでに毎日の学習の習慣がついていれば、それほど負担に感じることもないでしょう。学習の合間には気分転換を上手に図ることも大切です。うまく気分転換してリフレッシュできれば学習効率も上がるでしょう。

親が子供にしてあげられること

 高校受験や大学受験では、子供が志望校を自分で決めることが多いので、親が学習に干渉することは比較的少ないと思います。おそらくアドバイスをする程度でしょう。しかし、小学生の場合は、判断力や思考力も未熟であり、人生経験もあまりないため、親のサポートは不可欠です。中学受験の場合は、子供が自分から受験したいと言い始めることは少なく、親が子供の将来を考えて受けさせたいというケースが大部分でしょう。だから、受験に関しては十分に話し合って、子供も十分に納得する形で決めることが大切です。受験することが決まっても、親が一方的に志望校や塾を決めるのではなく、やはり納得いくまで子供と話し合いましょう。もちろん、その場合、志望校や塾に関して十分に調べておくことが大切です。
 
 また、子供が勉強しやすい環境を整えることにも気をつけましょう。自分の部屋で勉強するにしても、あるいは居間などのテーブルで勉強するにしても、学習しやすい環境を作ってあげましょう。
 
 それから受験勉強に関しては、学習形態によって、塾や家庭教師、通信講座などにかなりの程度任せることになると思いますが、家での学習時間や生活習慣に関しては親がある程度管理しておくことが必要でしょう。あくまで自宅での学習が中心となりますから、親が子供と協力して学習計画表を作り、時間の管理をしてあげると良いでしょう。うまく気分転換を図りながら勉強していく学習計画を作ってあげましょう。気分転換には、習い事で運動をしていない場合は、勉強の合間に軽い運動を組み込むようにすると、健康の面からもいいですし、良い気分転換になるでしょう。
  

まとめ

 中学受験のための学習と習い事の両立については、いろいろな状況を総合して判断するのがよいでしょう。子供の成長のためには、なるべく両立させるようにするのがよいと思われます。学習時間については、本人の成績や志望校のレベルなどを十分に考慮することが大切です。それから、中学受験の準備や学習について、親が子供にしてあげられることは多々あるように思われます。押しつけがましくならないようにサポートしてあげましょう。

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