【中学受験】内申書は合否にあまり関係ない?
中学受験においても、小学校の内申書(調査書)の提出が求められることは多いです。
そこで気になるのは、「内申は、入試の成績や合否に影響するのか?」ということだと思います。
しかし、大まかにいって、内申が合否を左右することはよっぽどのことがない限りありません。
ほとんどの場合、合否はやはり入試の点数のみによって決まります。
「そうはいっても、内申があんまり良くなさそうだから、やっぱり不安……。」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、そもそも内申書とはどのようなものか、対象期間は何年生から何年生なのか、そして、中学受験における内申書の役割と重要度について説明していきます。
そもそも内申書ってどんなもの?
基本的には、「内申書=通知表」と考えていただいて結構です。
通知表には、
・各教科の3段階や5段階の評価(内申点)
・学習態度
・クラブ活動や委員会活動
・出席状況
・宿題や提出物の提出状況
・普段の学校生活での様子
といったものが書かれているはずだと思います。
つまり、中学校側は、自分たちの学校に入学してくるかもしれない児童がどのような人物かを事前に把握するために、内申書の提出を求めているのです。
内申書の対象期間
「小学4年生から塾に通わせていて、3年生までは成績はごく普通だったから、内申点が心配……。」
といった方もいらっしゃるかもしれませんので、内申書の対象期間についても説明します。
多くの場合、内申書の提出が求められる期間は、
「私立中学の場合、6年生のもののみ」
「国公立中高一貫校の場合、5年生と6年生の2年分」
といったパターンです。
ちなみに、「国公立中高一貫校は、私立中学校に比べて内申書を重視する」という傾向もあるようです。
というのも、国公立中高一貫校は、一般的な私立中学のような難しい入試問題は出題されにくく、その分内申書から受験生を評価するという理由があると考えられるからです。
ただし、これはあくまで傾向ですから、実際に受験される学校も必ずしもそうだとは言えません。
なので、実際に受験される学校については、学校の案内をしっかり確認したり塾で相談に乗ってもらったり、個別によく見ておいてくださいね。
中学受験における内申書の役割
上述の通り、中学校側が内申書の提出を求める目的は、
「入学してくる可能性のある児童が、どのような人物であるか」を把握することです。
とはいえ、内申書はあくまで1人の担任の先生、それも同時に30人ほどの児童を見ている立場の人が作成するものなので、内申書だけで受験生の本質を見極めることは不可能です。
だからこそ、中学校側は入試問題というハードルを用意して、自分たちの学校にふさわしい受験生を選別しているのだと思います。
内申書のためだけに、無理に特別な対策はしなくてOK
学力は入学試験でじっくり評価すれば良いですし、学校への適性は内申書からではなかなか判断できるものではありません。
よって、多くの学校では、内申書はそれほど重視されません。
どちらかといえば、
・授業態度は悪くないか
・宿題や提出物を忘れず出せているか
・欠席が多くはないか
・ちゃんと行事への参加はしているか
・非行や問題行動はないか
といったことをチェックし、「明らかに問題のある児童を弾く」ようなシステムだと思います。
なので、内申書を豪華に見せるためだけに、無理して課外活動をがんばったり委員長を引き受けたりするなど特別なことをする必要はありません。
それよりも、きちんと毎日学校に行って授業を受けて、友達との交流も大事にするといった「小学生としてやるべきこと」を当たり前にやっていれば大丈夫なはずです。
そして、学校での時間をしっかり楽しむことは、受験勉強の活力にもなることでしょうし、お子様の健全な成長にも非常に重要なことだと思います。
たとえ十分な学力を身につけ第1志望の中学校に入学することが出来たとしても、例えばそれまでの小学校生活で周りの人とうまく付き合っていく力を身につけられなかったとしたら、新たな学校生活に挫折してしまうことも十分に考えられます。
そうなってしまえば、果たして中学受験は「成功した」といえるでしょうか?
よって、内申書のためだけに努力をする必要はないものの、中学校入学以降の将来も見据えて、受験勉強だけでなく、対人関係をはじめとする「人間力」を磨いていくことも重要です。
具体的な受験勉強についてはやはり塾の指導に任せるのが一番ですが、そのような「人間としてどうあるべきか」といった部分は、きっと小学生のお子様にとって、最も身近な人生の先輩でもある親御さんから影響されることが多いかと思います。
なので、中学校入学以降の将来も見据えて、お子様が美しい心を持って成長していけるよう見守ってあげてくださいね。